「自分は営業が苦手だ」——そう思っている人は、きっと多いと思います。私も、そうでした。でも、今井晶也さんの『Sales is 科学的に成果をコントロールする営業術』(扶桑社)を読んで、考えが変わりました。
著者は、営業代行の会社セレブリックスで、たくさんの企業・商材の営業を支援してきた人です。その膨大な実践から見えてきたことが、この本には詰まっています。
いちばん伝えたいこと
「売れる人は、生まれつき才能がある」——そう思いがちです。でもこの本は、きっぱり否定します。売れる人がやっている“型”を分解すれば、誰でも再現できる。営業は、気合いではなく技術なのだ、と。
これは、営業に苦手意識がある人にとって、すごく希望のある話だと思います。才能ではなく技術なら、学んで身につけられるからです。
要点① 営業は「確率」をコントロールするもの
一発で決めようとすると、営業は苦しくなります。そうではなく、営業をいくつかのプロセスに分解して考える。
- 知ってもらう(アプローチ)
- 話を聞く・聞いてもらう(商談)
- 提案する
- 決めてもらう(クロージング)
それぞれの段階で「次に進む確率」を、少しずつ上げていく。一か所を劇的に変えるより、各プロセスを1つずつ改善するほうが、結果として成約は増えていきます。
要点② 「買わない理由」をつぶす
お客様が買わないのには、必ず理由があります。不安、疑問、タイミング、予算——。
売れる営業は、むやみに売り込みません。かわりに、相手が買えない理由を先回りして取り除いていきます。「売る」よりも「買わない壁をなくす」。この発想の転換が効きます。
要点③ お客様の課題を、一緒に見つける
自分の商品を押し付けるのではなく、相手の課題をはっきりさせて、その解決策として提案する。順番が逆だと、どんなに良い商品でも響きません。
この「課題を見つける」という考え方を、さらに深く掘り下げたのが続編です。あわせて読むと理解が深まります。
要点④ 行動量 × 質の、両輪で回す
センスに頼れないなら、正しいやり方で、十分な数を打つ。そして、やりっぱなしにせず、記録して検証し、次を改善する。
これは、営業に限らず「うまくいく人」に共通する姿勢だと思います(この話は「考えすぎて動けないときに|決めて、動いて、小さく回す」にも通じます)。
要点⑤ 土台は、やっぱり「信頼」
テクニックの前に、誠実さと一貫性があってこそ。見えないところでも約束を守る——この土台がぐらつくと、どんな技術も効きません。
一人企業に、どう活かすか
- 営業を「気合い」から「仕組み」へ:型を持てば、一人でも安定して受注できます。
- 順番を守る:まず相手の課題を聞き出す → その解決策として提案する。
- 記録して、回す:うまくいった/いかなかったを残し、次に活かす。
「売り込みが苦手」という人ほど、この本の「営業=技術」という考え方が助けになると思います。才能の問題ではなく、学べばできる。そう思えるだけで、一歩が踏み出しやすくなります。
まとめ
- 営業はセンスではなく、再現できる技術。
- 確率をコントロールし、買わない理由をつぶし、課題を一緒に見つける。
- 土台は信頼。行動量と質を、記録しながら回す。
※本記事は書籍の要点を筆者なりにまとめたものです。詳しい事例やデータは、ぜひ原著でご確認ください。