「Coachable(コーチャブル)」という言葉をご存じでしょうか。直訳すると「コーチングを受けられる」。もう少しかみくだくと、「人の言葉を、素直に受け取れる状態」のことです。
スポーツの世界でよく使われますが、ビジネスでも——とくに一人で事業をされている方にとって——とても大切な資質だと感じています。
コーチャブルとは、どういう状態?
能力が高いことと、コーチャブルであることは別です。むしろ、経験を積んだ方ほど難しくなることがあります。
そうでない人:「いや、それはうちの場合は違って……」
もちろん、何でも鵜呑みにすればいいという話ではありません。ただ、受け取る前に反論を組み立ててしまうと、せっかくの助言が入ってこなくなります。
なぜ、一人企業ほど大切なのか
組織にいれば、上司や同僚が「それ、ちょっと違うのでは」と言ってくれます。でも一人だと、誰も指摘してくれません。
- 間違いに気づけない:自分の思い込みを、自分で見つけるのは至難のわざです。
- 助言をもらえる機会が少ない:数少ない機会を活かせるかどうかが、そのまま差になります。
- 「言っても無駄」と思われたら終わり:反発が続くと、周りは何も言わなくなります。これがいちばん怖いことです。
助言をくれる人がいる。それだけで、すでに恵まれた状況だと考えていいと思います。
コーチャブルな人の、3つの特徴
- ① まず、最後まで聞く:途中で「でも」と挟まない。反論は、いったん受け取ってからでも遅くありません。
- ② 一度、試してみる:合うかどうかは、やってみないと分かりません。頭の中だけで判断しない。
- ③ 結果を持ち帰って報告する:「やってみたら、こうなりました」と伝えると、次の助言がもっと具体的になります。
とくに3つ目は見落とされがちですが、効果が大きいところです。助言した側は、その後どうなったか気になっているものです。
「素直」と「言いなり」は違う
コーチャブルであることは、自分の考えを捨てることではありません。
いったん受け取り、試し、自分の頭で判断する。そのうえで「今回は採用しない」という結論になっても、まったく構いません。大事なのは、検討する前に閉じてしまわないことです。
AI時代こそ、コーチャブルが効いてくる
AIを使っていると、この差がはっきり出ます。
AIの答えに対して「思っていたのと違う」と一度で切り捨てる方と、「なぜそう答えたのか」を確かめて、聞き方を変えてみる方。同じツールを使っていても、半年後に手にしているものはまるで違います。
遠慮なく試せる分、コーチャブルな人ほど速く上達します。
もちろん、AIの答えが正しいとは限りません。だからこそ、受け取って、試して、自分で判断する——この流れがそのまま活きてきます。
まとめ
- コーチャブルとは「人の言葉を、素直に受け取れる状態」
- 一人企業は指摘してくれる人がいない。だからこそ助言が貴重
- まず聞く・試す・結果を伝える、の3つを意識する
- 素直さと言いなりは別物。判断は自分でしていい
- AIとの付き合い方にも、そのまま表れる
次に誰かから何か言われたとき、「でも」を言う前に、ひと呼吸だけ置いてみてください。それだけで、受け取れるものがぐっと増えるはずです。